運動の効果、マッサージの効果 どちらが良い?

理学療法

セラピストの方で色々勉強していくと運動の大事さがわかってきて、治療内容に運動療法を積極的に取り入れている方も多いでしょう

それ自体は否定しないですが、知らずの間にマッサージ中心の治療を悪として扱ってはいないですか?

マッサージだけでは根本的な解決にならない、運動・トレーニングすることで再発予防になる、弱い箇所は鍛えて、過剰な箇所はマッサージするのなどいろいろな考え方があると思います。

今回は運動療法とマッサージについて私なりの考えを書いていきます

結論から言うと、患者の主訴を叶える手段の一つに運動があると考えています。なので運動は絶対ではありません。

治療内容として運動はせずにいわゆるマッサージ的な介入で終了する場合もあります。しかし、ただマッサージしてほしいからマッサージ的な介入で終わっているのではなく、様々な介入方法の中からマッサージを選択しているのです。

これ重要です。

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    運動療法による効果は?

    • 筋力強化
    • 血流増加
    • 疼痛軽減
    • ホルモン分泌
    • 心肺機能強化
    • 多幸感、気分がすっきりする
    • ストレス軽減

    あげればきりがありません

    これらの即時効果、長期的な効果など様々あると思いますが、運動指導する際になぜこの運動をやるのか?どのような効果があるのか?は説明できないといけません

    即時的な効果として運動をすることで筋のアンバランス、過剰運動関節・過少運動関節のバランスなどが修正され一時的に疼痛が軽減されることもよくあります。実際にやってみてもらい効果を実感してもらえば積極的に取り入れてもらえるでしょう

    また筋力強化が目的である場合まず最初の反応として起こるのが神経筋促通であり最低でも2週間はかかる。加えて運動頻度、負荷を適切に実施しないと意味がないこと。これらを説明し、運動することで即時的には効果はでないが継続することで希望を叶えられると伝えていくとよいと思います。

    しかしこれらはすべて患者・利用者が運動を受け入れている前提の話です

    そもそも患者さん、利用者さんは運動に対してどのようなイメージを持っているのか?運動自体に対して消極的である場合、運動して痛みを経験した場合などその時点で治療手段として運動を選択することが最善の手ではないかもしれません。治療の効果も見込みにくくなるでしょう

    逆に運動が好きな人、体を動かすのが好きな人の場合は運動が治療手段として候補に挙がるかもしれません

    運動でしか出せない効果はあるのか?

    できないことをできることで変えるのが運動

    できないことをできることにしやすくする補助的な役割をもつのがマッサージ

    例えば膝の痛みがあり歩けるようになりたい人は痛みに対していくら介入しても最終的には歩かないと歩けるようになれません

    今できないことができるようになりたい、できているがもっと長い時間できるようになりたいなど何か達成したい目標がある場合は目標としていることを患者本人が継続して行わない限りは目標達成できないでしょう

    確かにマッサージでさっきまでできなかったことができるようになることは多々あります。しかしそれはあくまでもその場での動作であって日常生活やスポーツ・仕事での実際の動作とは異なります。

    マッサージによって動きやすくなった体で、実際に運動することで初めてできなかったことができることに変化していくと思います

    これが運動すること、体を動かすことの醍醐味だと思います

    マッサージによる効果は?

    • 局所血流増加
    • 筋緊張軽減
    • 筋緊張軽減による関節への負荷軽減
    • 精神的なリラックス効果
    • 疼痛軽減

    などあります。

    先程あげた運動による効果と同じものがいくつかあります。

    同じ効果を狙いたい場合、運動の方が効果をあげやすそうなのか?マッサージの方が良さそうなのか?これは判断しなければなりません。

    判断材料としては運動習慣、疾患・症状の病期、身体機能、内科疾患など総合的に判断して積極的に運動指導するべきなのか、マッサージ的な対応にするのか、または別の介入にするのか決めていきます。

    そもそも身体機能が低下している高齢者、運動しない人など体を動かすのに不慣れな人は血流増加や疼痛軽減を狙い運動したとしても狙った効果を上げずらいのではないか?と考えています

    しかし、運動が全く必要ではないというわけではありません。運動以外の介入で動きやすくなった体を提供することができればあとは日常生活指導、疼痛に対する教育をしていく事で運動に対する知識を与える事で介入時に運動しなくても、それ以外は時間で運動して頂けることが多いです。

    患者感覚とセラピスト感覚をすり合わせよう

    よく患者からここが凝ってるからマッサージして欲しいと言われますが、これは潜在的に「血流循環が良くなる事」、「マッサージされて気持ち良くなること」で症状が軽減することを理解しているから訴えるのではないでしょうか?なので凝ってる場所を触って確認してマッサージするだけで症状改善する事もあります

    よく理学療法評価で疼痛軽減動作を確認しますがこれと全く同じです。患者がこうすると痛みが軽減すると分かっている、評価する事で症状軽減動作を発見し運動指導していくと思いますが、「マッサージして欲しい」というのも1つの疼痛軽減動作、疼痛軽減パターンの1つとして捉えればなんの違和感もなくなります。

    動作、運動だけではなくマッサージも疼痛軽減手段として潜在的に認識しているので患者本人の感覚を大事にしましょう

    むしろ、「マッサージすることで痛みが軽減すると認識している人」の方が「運動で痛みが軽減すると思っている人」よりも圧倒的に多いはずです。なので運動することで圧倒的に症状変化を出せるなら積極的に運動をすすめますが、そうではない場合は下手に運動指導するよりは患者感覚とすり合わせながら治療介入していった方が満足度も高いかもしれません

    最終的には運動してもらうための手段として、①運動指導・口頭で説明 ②動きやすい体にして勝手に動いてもらう

    どちらが効果が出やすいか?患者・利用者が納得してやる事ができるかを考えることが重要だと思います。

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