介護保険申請で活用する基本チェックリスト、介護認定調査票、障害・認知高齢者の日常生活自立度について

理学療法

介護保険領域で働いている人なら一度は聞いたことがある基本チェックリスト、認定調査票、日常生活自立度について簡単に説明します。主に厚生労働省の資料を参考にしていますので、詳細はそちらを確認してください。

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    基本チェックリスト

    介護申請にあたっては各市町村の役所や地域にある高齢者いきいきセンター(地域包括支援センター)などに相談した上で、書類を揃えたり現状の生活の調査を受けたりします。その中で、まず介護が必要な高齢者がどうか?をスクリーニングする意味でよく活用されるのが「基本チェックリスト」です。

    基本チェックリストとは以下の通りです。

    介護予防事業においては、要支援・要介護状態となる可能性の高い高齢者として「特定高齢者の候補者」を効率的に選定するための質問票として「基本チェックリスト」が作成された。「基本チェックリスト」は 25 の質問項目から構成されており、1~5 の 5 項目が主として手段的 ADL に関する項目であり、6~10 の 5 項目が転倒発生のリスクを中心とした運動器の機能に関する項目である。11 及び 12 は栄養状態を判断する項目であり、13~15 の 3 項目は咀嚼、嚥下機能を中心とする口腔機能を判断する項目となっている。さらに 16、17 の 2 項目は閉じこもりに関する質問であり、18~20 の 3 項目は認知症、21~25 の 5 項目はうつのそれぞれの可能性を判断するための設問となっている。

    介護予防のための生活機能評価に関するマニュアル
    基本チェックリスト基本チェックリストの考え方

    基本チェックリストを実施することで、特定高齢者の選定になり予備群に当たる方に対して、運動プログラムや口腔プログラムなど機能の低下がみられる部位を対象に予防プログラムを各自治体で行っています。

    基本チェックリストに加えて医師(主治医)による生活機能評価を行い、各プログラムへの参加にあたり医学的な判断をしていただきます。

    介護予防のための生活機能評価に関するマニュアル

    介護予防事業参考資料⇩

    介護認定調査票

    介護認定調査は介護認定審査の際に使用されます。介護認定にて一次審査と二次審査があり、一次審査の時に介護認定調査票のデータと主治医意見書の情報をコンピューター解析します。

    そのうえで、利用者がどれくらい介護の手間(要介護認定等基準時間)が必要か?を判断します。

    要介護認定は一次判定ソフトによる判定から、介護認定審査会における認定まで、原則として、要介護認定等基準時間と呼ばれる介護の手間の判断によって審査が行われる。この審査の考え方は、制度が実施されてから、今日まで変わっていない。

    要介護認定調査員テキスト2009改訂版(令和3年4月改定)

    わが国で開発された一次判定ソフトにおいては、申請者の「能力」に関わる情報や、「介助の方法」および「障害や現象(行動)の有無」といった状態に関わる調査結果情報を入力することで、「行為区分毎の時間」とその合計値(すなわち、要介護認定等基準時間=介護の手間)が算出される設計となっている。

    要介護認定調査員テキスト2009改訂版(令和3年4月改定)
    要介護認定調査員テキスト2009改訂版(令和3年4月改定)

    ①能力を確認して判定する(以下「能力」という)、②生活を営む上で者からどのような介助が提供されているか(介助の方法)(以下「介助の方法」という)、あるいは、③障害や現象(行動)の有無(以下「有無」という)を確認して判定するというように、判定の基準が3 軸ある。

    要介護認定調査員テキスト2009改訂版(令和3年4月改定)

    ちなみに1-1の麻痺等の有無については、座位または臥位で肩関節屈曲90度もしくわ外転90度までの自動運動を肘関節伸展位で行えるか? また座位で膝関節他動運動で可能な伸展可動域まで自動運動で膝関節伸展が行えるか?もしくわ臥位でのSLRで他動運動で可能な伸展可動域まで自動運動で膝伸展が行えるか?を確認しています。

    1-2の拘縮の有無については、すべて他動運動で確認しています。肩関節屈曲もしくわ外転90度まで動くか?、股関節屈曲90度、外転ま対側下肢との距離が25㎝まで開くか?膝関節屈曲90度まで動くか?を確認しています。

    介護認定調査の流れと注意点

    要介護認定調査員テキスト2009改訂版(令和3年4月改定)

    障害高齢者の日常生活自立度

    障害高齢者の日常生活自立度に関しては以下の目的で作成されているそうです。

    この判定基準は、地域や施設等の現場において、保健師等が何らかの障害を有する高齢者の日常生活自立度を客観的かつ短時間に判定することを目的として作成したものである。判定に際しては「~をすることができる」といった「能力」の評価ではなく「状態」、特に『移動』に関わる状態像に着目して、日常生活の自立の程度を 4 段階にランク分けすることで評価するものとする。

    要介護認定調査員テキスト2009改訂版(令和3年4月改定)p155

    主治医意見書やケアマネジャーからいただく基本情報(フェイスシート)などにもよく掲載されている日常生活自立度。これらの情報から「移動」に関する事や認知機能に関して大まかに把握することができ、初回介入やリハビリの計画書作成にも役立てることができると思います。

    また以下のランクは認知症高齢者の日常生活自立度に関する評価表です。

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